隠岐誉 純米吟醸
最初にご紹介するのは、オーソドックスな1品「隠岐誉 純米吟醸」
この日本酒は精米歩合(*)55%と、すっきりしていて口あたりがよく、カニ料理など素材の味を楽しめる料理との相性抜群。毛利さん曰く「この隠岐誉を使って、カニの酒蒸しをするのがとってもおすすめ」とのこと。
(*)精米歩合(せいまいぶあい):精米において玄米を削り、残った割合を示したもの。精米歩合55%の隠岐誉 純米吟醸は、玄米の表面を45%削った状態の米を使って造られた日本酒です。
隠岐誉 純米大吟醸 斗瓶囲い
次にご紹介するのは「隠岐誉 純米大吟醸斗瓶囲い」
「斗瓶囲い」とは、もろみという日本酒の醸造過程において、原料が発酵してできる柔らかい固形物を布袋につめ、滴り落ちる雫を集めて、斗瓶に低温貯蔵したお酒のことです。
こちらは精米歩合35%で、絞らずに雫だけを集めているので雑味がなく、後味はすーっと消えていくのが特徴です。非常に香り高くフルーティーな味わいとほのかな甘さは華やかで、乾杯の1杯に喜ばれます。
隠岐誉 室町の純米酒 90
三品目は「隠岐誉 室町の純米酒 90」
隠岐は遠流(おんる)の地としても有名ですが、特に後鳥羽上皇や後醍醐天皇が隠岐に流された話は、日本史で耳にした方も多いかもしれません。
室町の純米酒 90は、後鳥羽上皇や後醍醐天皇がかつて吞まれていたとされるお酒を「御酒之日記(ごしゅのにっき)」という文献に記載のあったレシピから再現したものです。
精米歩合90%とほぼ玄米のこちらのお酒は、当時の造り方で生酛(きもと)造りという、自然発酵の力を活用した造り方で製造しています。琥珀色で非常に重厚な味をしつつも、後味は切れが良くすっきりと呑めます。
中華料理や、イタリアン、すき焼き、ビーフシチュー、ウナギなど、濃い味の料理と呑むのがおすすめで、熱燗でも楽しめます。
隠岐誉 江戸の純米酒 90
最後にご紹介するのは「隠岐誉 江戸の純米酒 90」
こちらも昔のお酒を再現した、歴史を感じる1品です。明治維新の時代に、松江藩の代官を島から追い出し自治政府を作った、「隠岐騒動(おきそうどう)」という事件が起こりました。
江戸の純米酒は、去り行く松江藩の代官に島民が送ったお酒であり、来島した小泉八雲が呑んだとされるお酒を再現しています。
実は小泉八雲もこのお酒を呑んだ記録があり、「日本食とよく合い、色はレモネードのようでシェリー酒のように強いが、酔い心地がよくて翌日に残らない」と書いています。
コクがありながら非常に辛口で後切れがよく、ドライシェリーや辛口ワインのような味わいです。
焼き鳥やてんぷらなど、やや味わいの濃い料理とあいます。こちらも江戸時代に主流であった、自然発酵の製造方法の生酛(きもと)造りが用いられています。
いかがでしたでしょうか。
毛利さん曰く「よい日本酒は後味がすーっと消えていくのが特徴」とのこと。そのため、味わいの濃い薄い、辛口、甘口といった大まかな違いを押さえておけば、基本的にどんな料理とも合わせやすいそうです。
今回は隠岐の日本酒で毛利さんおすすめの4選をご紹介させていただきました。隠岐の地酒を楽しむ際の参考になれば幸いです。
隠岐にきた際には、ぜひ楽しんでください!