特集

しまの花~夏~

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しまの花~夏~

北海道で見られる植物と沖縄で見られる植物が同じ場所に生きていたり、大陸性の植物、高山性の植物、さらには氷河期の植物までもが海岸の低地で共存していたり、隠岐ユネスコ世界ジオパークの自然は、世界的に見ても「ミステリアス」。
その原因ははっきりと解明されておらず、いまなお多くの謎が秘められています。

今回は「春の花」特集!隠岐の「ミステリアス」をあなたの目で確かめてみませんか?

アジサイ(アジサイ科)5月~7月

アジサイ(アジサイ科)5月~7月

隠岐の島町(島後)の白島海岸では、雪をのせた花が見られ、「エンドレスサマー」という品種です。
観賞用の「アジサイ」は、日本の「ガクアジサイ」を元に、日本、ヨーロッパ、アメリカなどで、観賞用に品種改良されています。

エゾノヨロイグサ(セリ科)6月~8月

エゾノヨロイグサ(セリ科)6月~8月

寒地系植物
本州(中部地方以北)と北海道に分布するが、隠岐の島町(島後)と鳥取県(大山)でも見られます。
日当たりのよい路傍や林縁の草地で生育し、枝先に白い小花を多数つけます。

オキノアザミ(キク科)5月~8月

オキノアザミ(キク科)5月~8月

隠岐の固有種
隠岐全域の道端などで簡単に見られます。
本土のノアザミと比べてトゲが多く、花の基部にはするどいトゲがあります。

クサギ(シソ科)7月~9月

クサギ(シソ科)7月~9月

暖地系植物
全国に分布する先駆性樹木(開放的な明るい場所に、いち早く生えて育つ木)
枝先や上部に、雄しべと雌しべが突き出た芳香のある白い花をつけます。
クサギ(臭木)の和名は、葉の悪臭からつけられました。若葉を天ぷらにして食べることもあります。

シロウマアサツキ(ヒガンバナ科)6月~7月



寒地系植物(亜高山植物)
隠岐全域で見られます。
本土では亜高山帯で見られる植物だが、隠岐では主に海岸部に生育している。

タケシマシシウド(セリ科)6月~7月

タケシマシシウド(セリ科)6月~7月

海士町文化財(平成24年)に指定されています。
世界でも、韓国・鬱陵(うつりょう)島と海士町の2つの離島でのみ確認されている珍しい植物で、海士町の明屋海岸に群生地があります。
タケシマシシウドの名は、かつて鬱陵島を「タケシマ」と呼んでいたことから付けられました。

ナゴラン(ラン科)6月~7月

ナゴラン(ラン科)6月~7月

暖地系植物 島根県固有評価:分布限界種(北限)
隠岐の島町の「春日神社」の境内で見られます。
多くはモミ、ウラジロガシの樹幹に着生しますが、隠岐の特徴としてクロベ、ヒメコマツ、クロマツの樹幹にも着生する。
本来は冬季でも常緑だが、隠岐では葉をシワシワにして越します。

ナツエビネ(ラン科)7月~8月

ナツエビネ(ラン科)7月~8月

四国・九州の山地に分布しています。
隠岐では知夫村(知夫里島)以外の山地の林床で見られます。
葉間に葉より高い花茎を伸ばし、白色・淡紫色の花を10~20個ほど付けます。

ハマナス(バラ科)5月~8月

ハマナス(バラ科)5月~8月

寒地系植物
北海道や東北などの海岸に分布する植物が、隠岐の島町の「春日神社」前の海岸でも見られます。
「春日神社」では、ナゴラン(暖地系植物)ハマナス(寒地系植物)が道路をはさんで隣接するという、他の地域では見られない植生となっている。

ヤマボウシ(ミズキ科)6月~7月

ヤマボウシ(ミズキ科)6月~7月

寒地系植物
本州~九州の山地の尾根やブナ林に点々と分布しています。
白色(稀に紅色)の花びらのように見えるのは、総苞片(つぼみを包んでいた葉)です。
花の本体は総苞片の中央部に、淡黄色の小花が20~30個球状に集合しています。
ヤマボウシ(山法師)の和名は、花を法師に見立てたことから付けられました。