特集

しまの花~春~

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しまの花~春~

北海道で見られる植物と沖縄で見られる植物が同じ場所に生きていたり、

大陸性の植物、高山性の植物、さらには氷河期の植物までもが海岸の低地で共存していたり、

隠岐ユネスコ世界ジオパークの自然は、世界的に見ても「ミステリアス」。

その原因ははっきりと解明されておらず、いまなお多くの謎が秘められています。

今回は「春の花」特集!隠岐の「ミステリアス」をあなたの目で確かめてみませんか?

アマドコロ(キジカクシ科)3月~6月

アマドコロ(キジカクシ科)3月~6月

寒地系植物
北海道~九州に分布し、山地の草地などで見られます。
花は鐘形で白く、先端は緑色を帯びており、同属のナルコユリとよく似ているが、アマドコロの茎は角張っているので区別できます。(ナルコユリの茎はまるい)

オオイワカガミ(イワウメ科)4月~5月

オオイワカガミ(イワウメ科)4月~5月

寒地系植物(亜高山性植物)
隠岐の島町の久見川沿いに生息しています。
本土では亜高山帯で見られるが、隠岐では海抜0mの海岸周辺の岩場でも生息しています。
淡紅色~紅紫色の花が6~15個つき、花びらの先端は細かくわかれています。

オキシャクナゲ(ツツジ科)4月~5月

オキシャクナゲ(ツツジ科)4月~5月

寒地系植物
隠岐の島町で見られる隠岐の固有種です。
本土のシャクナゲは深山の尾根や岩場で見られますが、隠岐では平地にも生育しています。
毎年ゴールデンウィークには、村上家隠岐しゃくなげ園で「しゃくなげ祭」が開催されます。

オキタンポポ(キク科)4月~5月

オキタンポポ(キク科)4月~5月

隠岐の固有種
和タンポポの一種で、隠岐全域で見られます。
セイヨウタンポポの侵入により、オキタンポポの生息が脅かされており、隠岐全域でオキタンポポの分布調査と、セイヨウタンポポの駆除活動が行われています。

オニヒョウタンボク(スイカズラ科)4月~6月

オニヒョウタンボク(スイカズラ科)4月~6月

大陸系植物
東北地方~中国地方までの間に隔離的に分布し、島根県内では隠岐にのみ生息しています。
花は葉の付け根に2花づつ咲き、筒状の先で2唇形になっています。白い花を咲かせ、後にやや黄色を帯びています。

カタクリ(ユリ科)3月~4月

カタクリ(ユリ科)3月~4月

寒地系植物(北方系植物)
隠岐の島町の「カタクリの里」で見られ、本土では山地に分布するが、隠岐では海岸近くに生育しています。
紅紫色の花を下向きにつけ、花びらのつけ根には独特な濃紫色の斑紋があり、地域住民のボランティア活動によってカタクリ公園として保護されています。

ゴマギ(スイカズラ科)4月~5月

ゴマギ(スイカズラ科)4月~5月

寒地系植物(北方系植物)
日本固有種のゴマギは、本州(関東地方以西の太平洋側)、四国、九州、琉球に生息しています。
枝先に直径7〜9㎜の白い小花を多数つけます。「ゴマギ(胡麻木)」の和名は、葉を揉んだり、葉や枝を傷つけると胡麻の匂いがすることから付けられました。
多雪地域に適応したゴマギの変種である「マルバゴマギ」も分布しており、ゴマギより葉や散房花序が大きいことが特徴です。

チョウジガマズミ(スイカズラ科)4月~6月

チョウジガマズミ(スイカズラ科)4月~6月

暖地系植物
全国的に分布が限られ、隠岐では海岸や海岸周辺の岩場に生息しており、”隠岐の代表木”になっています。
枝先に20花ほどの白い小花をつけ、蕾は紅色を帯び、花は甘酸っぱい香りがします。
隠岐以外では、中国地方、四国、九州に分布しています。

ツシマナナカマド(5月~6月)

ツシマナナカマド(5月~6月)

暖地系植物
隠岐全域の海岸周辺で見られます。
白い小花を多数咲かせ、果実酒にも利用できます。
葉は奇数羽状複葉で、秋には真っ赤に紅葉します。

ツルシキミ(ミカン科)4月~6月

ツルシキミ(ミカン科)4月~6月

寒地系植物 雌雄異株(写真は雌株)
本土では多雪地域の林床で見られるが、雪の少ない隠岐でも見られます。
雌雄とも枝先に直径1cmほどの香りのある白い小花をつけ、雌花には退化した雄しべがあります。

トベラ(トベラ科)4月~6月

トベラ(トベラ科)4月~6月

暖地系植物 雌雄異株(写真は雄株)
東北地方南部以南、四国、九州、琉球に分布しています。
雌雄とも枝先に直径2cm程の香りのある白~クリーム色の小花をつけます。
トベラ(扉)の和名は、臭みがある枝葉を、節分時に鬼よけとして扉にはさむ習慣から付けられました。

ハマダイコン(アブラナ科)4月~6月

ハマダイコン(アブラナ科)4月~6月

別名ノダイコンと呼ばれ、隠岐の沿岸部で見られます。
ハマダイコンの根茎は、辛味大根より辛く、薬味として利用できます。
毎年春には知夫村で「野ダイコン祭り」が開催され、赤ハゲ山一面に咲いたハマダイコンが見られます。

ホタルカズラ(ムラサキ科)4月~6月

ホタルカズラ(ムラサキ科)4月~6月

全国に分布し、隠岐では海岸沿い、林縁、山地の草地で見られます。
直径1.5cm程の青紫色の5裂した花をつけ、5本の白い隆起があります。

ミツバイワガサ(バラ科)4月~5月

ミツバイワガサ(バラ科)4月~5月

大陸系植物
福井県以西の日本海側および朝鮮半島南部に分布しています。隠岐では、海岸や道路脇の崖地などの岩場で見られます。
イワガサの変種とされ、本種の葉は基本種より浅く裂けており、枝先に白色~淡紅色の小花を多数つけます。

ヤブツバキ(ツバキ科)4月~11月

ヤブツバキ(ツバキ科)4月~11月

日本の固有種で、隠岐全域で見られる照葉樹の代表木です。
枝先に直径5~7cm程の赤色(まれに淡紅色や白色)の花をつけ、隠岐では花と葉の形が地域によって微妙に異なります。

ヤマシャクヤク(ボタン科)4月~6月

ヤマシャクヤク(ボタン科)4月~6月

寒地系植物
本土では山地帯に分布しているが、隠岐では海岸周辺で見られます。
花は白色で、3~4日ほど咲きます。ヤマシャクヤク(山芍薬)和名は、山地帯に生え、シャクヤクに似ていることから付けられました。

ユキグニミツバツツジ (ツツジ科)4月~5月

ユキグニミツバツツジ (ツツジ科)4月~5月

寒地系植物(北方系植物)
本土では多雪地域に分布するが、隠岐では海岸周辺で見らます。
枝先に紅紫色の花を1個ずつ付け、名前の通り枝先に3枚の葉があります。